逢うも逢わぬも

    眠気のなかで

2022.6.21 夏至に至るまで

 関東で生まれ育ち、その後ずっと働いてきた者からすると、大阪の日の長さは驚くほどで、このところは、19時近くまで明るい。もちろん、梅雨明けのこの時期、沖縄にいくと、もっと日が長くて、20時近くまで明るいというのはあって、さらにいえば、例えば、ロンドンに行けば、22時過ぎまで明るいのだから、大阪の夕暮れの長さのことを強調する必要もないのかもしれないが、私は夕暮れが好きなので、長ければ長いほど、嬉しくなってしまう。

 今の生活では、17時にはやるべきことが終わって、家に戻ってもいいし、何処かに寄ってもいいしという、学生のような生活なので、17時過ぎから飲みに行くこともあって、ずいぶん飲んだな、と思って、外を見ると、19時前で、まだまだ明るいことに驚いて嬉しくなることもある。逆に言えば、暗くなるまで仕事をするというのは、なんと窮屈なことなのだろうと思う。

 もちろん、人間は動物だから夜まで活動すべきではないなどというつもりはなくて、人間なんて、本能が狂った生き物であるのだから、狂ったままでどんどん行けばいいと思うし、夜ふかしなんて、できるのであれば、限りなくすればいい。しかし、同じ狂うのであれば、楽しく狂いたいのであって、仕事を詰め込まれて、頭の後ろに糸が張ったような緊張した状態で過ごすような、そうしたことは避けなければならないと、ますます思うようになってきた。

 話が少しずれたが、2時間ほど酒を飲んで、まだまだ明るいということになり、じゃあ、もう一軒ということになって、ようやく翳りが見えてきた大阪の交差点を歩いていると、九州出身の人が「大阪は湿気がなくていい」と言い出して、私からすると、そうでもないので驚くと、九州は、この時期にはもう、湿気で押しつぶされそうになると言い、そういうものかと頷くところありながら、私としては、日が長いのがいいのではないかというと、「いやあ、そりゃ、長いですけど、湿気がねえ」というので、私も湿気が好きなほうではないので、そういうものかもしれないと結局納得してしまう。

 かといって、日が長くて湿気がなさそうな土地といわれると、私は、ついつい映画の『ミッドサマー』のような村を思い出してしまうので、そうそう都合のよい土地もないのかもしれないな、と思ったりして、まあ、実際、いくら夕暮れが好きだといっても、あのような村は嫌だな、と酔っ払った頭でぐるぐると考えはじめる。

 さらに話をずらすと、こうした会話があった日に行った立ち飲み屋では、6時間飲み放題5千円という、わけの分からないプランがあり、最後にうどんが出されるとあった。これを見ながら、6時間も飲み続けたら、うどんを食べても、口から再び出てくるので、結局、5千円は払わなくて良いのではないかと下らないことを話して、今考えると、全く下らない話なので、酔っ払っている時は、本当によく分からない。


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