逢うも逢わぬも

    眠気のなかで

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2022.1.30 ソファにおくのを待つ

ブランクスペース(1) (ヒーローズコミックス ふらっと) 作者:熊倉献 ヒーローズ Amazon 娘がだんだんと大きくなってくると、自分が本を選ぶ時に、どこかしらで娘が読むのではないかと意識していることがある。 もちろん、とても良いと思って勧めたことも…

2020.9.13/2022.1月上旬 ホホホ座の夏

残暑の京都の暑さは、私の身体には、それほど辛くなかったけれど、娘には、かなり厳しかったようだった。だから、夏の旅の最終日は、一乗寺から歩いて、圓光寺と詩仙院を訪れた後には、娘は、「もう、ぜったい歩かない」と言った。仕方がないので、恵文社書…

2021.12月下旬及び2022.1月上旬 本のこと

アタリもあれば、ハズレもありというのが本の全てであるが、12月下旬から1月上旬にかけて読んだものの中で、人にお薦めしたいのは、このあたり。 ロスト・ラッド・ロンドン 1 (ビームコミックス) 作者:シマ・シンヤ KADOKAWA Amazon ロンドンを舞台にして、…

2022.1.10 我はなぜコーヒーに信仰のようなものを抱くに至ったか

目が覚めると、太鼓の音が聞こえた。何なのだ、と思って、ベランダに出ると、大阪天満宮に人が多い。三賀日の大阪天満宮の人の出は、不動産屋から聞いていたものの、想像以上だった。警備員が出て、カラーコーンで導線が作られ、行列ができていた。 その朝の…

2022.1.8 歩く

大阪市立美術館のメトロポリタン美術館展では、カラヴァッジョの作品を見たいと思った。上野の国立西洋美術館で大規模なカラヴァッジョ展がやっていた時は、まったく興味がなかったのだけれど、3年前、北海道立近代美術館でカラヴァッジョの作品、もっとい…

2022.1月上旬 坂のない土地

大阪で生活をはじめる時、ぼんやりと考えていたのは、スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」の曲のことだった。自分もそこはかとない違和感のようなものを感じ、あの曲があたまをよぎることがあるのではなかろうかと想像していた。 けれど…

2021.12.6 三省堂から遠く離れる

大阪に旅立つ前、もう少し時間的な余裕があると思っていたのだが、実際には、予定がどんどんと埋まっていき、結局、時間のなさに閉口することになった。それでも、ほんの少しだけの時間が空いた。 We can steal time just for one day. こういうと、この年齢…

2021.12.24 歓迎とサボテン

翌日は雨だという予報だった。空を見上げると、まだ晴れていて、しかし、雨の予兆は、確かに感じられる。そういえば、大阪にやってきてから、一度も雨に降られていないと気づく。少しは歓迎されているのかもしれないと思う。根拠はない。グーグルマップを開…

2021.12月中旬 『眠りの航路』から伸びる根

大阪に出発した頃に読みはじめたのは『眠りの航路』という台湾の作家の小説だった。一人称と三人称が交互に出てくる章立てになっていて、物語がはじまるとすぐに、一人称の語り手が不眠になってしまう。新しいベッドがからだに合わなかっただけといえば、そ…